球から出るハムの対策

April 9, 2018 | Author: Anonymous | Category: N/A
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球から出るハムの対策 オーディオ・アンプにおけるハムは,その原因がかなり複雑なことが多く,しか も球に罪ある場合は案外少いもので,むしろ回路や設計や部品の不良によること が多いようです。また球をさしかえることにより解決する場合も,回路を一部変 更することによって解決することがあるのです。しかしそうは申しましても,こ とにアンプのゲインの高い場合には,ヒーターを直流で点火しないかぎり,球の 種類により当然それぞれに限度があります。このような点につき,いろいろ例を あげながら説明してみます。

1.6ZDH3A のヒーター・ピンは,どちらの方をアースすべきか? 口金のピン番号は,御承知

3

4

4

のように第 1 図のようにきめ られています。昔はこれとこ

2

となり,ヒーターを 3,4 と呼 ぶ方法がありましたから,混 同しないようにしてください。 6ZDH3A のヒーターは,ピ

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4

5

3

6

3

6

2

7

2

7

5 1

6

UZベース

1

8

オクタル・ベース

1

ミニアチュア・ベース

第 1 図 球の底面からみた口金のピン番号

ン 1 をアースした方がよいと雑誌に発表されているのを御存知でしょう。これは なぜでしょうか。 6ZDH3A はグリッドがベースに出ているシングル・エンド型ですから,グリッ ド・ヒーター間のキャパシティーが多く,この容量を通してヒーターの交流電圧 がグリッドにかかることになり,ハムの原因となりやすいのです。このキャパシ ティーは一般には発表されていないのみならず,ソケットでの容量を含んだもの は見当りません。実測した値は次の通りです。 ピン 1–3 間 C1,3  約 0.45pF ピン 6–3 間 C6,3  約 0.16pF したがってピン1を接地すれば,ヒーター・グリッド間の容量 Ch,g は 0.16pF に なり,ピン 6 を接地すれば 0.45pF になりますから,ピン 1 を接地すればよいこと がおわかりでしょう。これを知らずにピン 6 を接地すれば,約 3 倍にハムが増す まけです。 C1,3 が C6,3 に比し多くなっているわけは,ベースのピンが接近しているだけで なく,球を手にとって御覧になればすぐにわかりますように,ステムの摘み部で

2

口出線が接近しているからであります。

2.6ZDH3A はどの位のゲインのアンプに使えるか? 6ZDH3A は次段に出力管がくる場合はよ いが,さらにその中間に 76 を使ったよう な 3 段増幅回路に用いると,ハムが出てよ くないといわれています。この理由を考

パワー・ トランス

えてみましょう。第 1 節の場合も本節でも, 6ZDH3A のハムとしては第 2 図の回路,す

500K AC 100V

なわち三極部だけを使用した場合について 考えることにします。二極部も使用する場 合は少し様子が変ります(第 10 節)から 間違わないようにしてください。

第 2 図  二極部をアースした場合につい てまず考えよう

第 2 図の回路で,グリッドにはヒーター電圧 Ef が Ch,g を通してかかり,次式 の交流電圧 Eng が生じます。 Eng (mV) = 0.00628 × f × Rg (µΩ) × Ef (V) × Ch,g (pF)

(1)

ここに f は電源のサイクル数であります。 このハム電圧は増幅されスピーカーに現れるわけで,このハム出力電圧 En0 は En0 = Eng × A

(2)

A は増幅度であります。En0 は 2V 以下におさえるのが普通で,周波数を 60 c/s と すれば,Ch,g は次の値以下でなくてはならないことになります。 Ch,g × A ≦ 1700

(3)

6ZDH3A–42 という組合せでは,A は約 1,000 ですから,Ch,g は 1.7pF 以下でなけ ればなりません。第 1 節に説明しました C1,3 および C6,3 はこの値よりはるかに 小ですからピン 1 を接地してもピン 6 を接地しても,この場合使用上なんらさし つかえないわけです。 一方 6ZDH3A–76–42 という組合せでは,A は約 10,000 倍となりますから,Ch,g は 0.17pF 以下でなければならないわけで,C6,3 がかろうじてこの値以下ですか ら,ピン 1 を接地さえすればどうにか使用できることになります。しかし後述し ますようにハムの原因は他にもありますので,幾分余裕をみるとしますと,この ような 3 段増幅には 6ZDH3A を使用しない方が安全であるということになります。 このような場合は 6AT6 か 6C6 を用うべきでしょう。

3

3.6AT6(6AV6) の場合はいかん 6AT6 は 6ZDH3A とちがってボタン・ステムを使用し,ステム部にシールドが あり,ソケットも中央にシールドがありますので,Ch,g は非常に小さくなってい ます。 ピン 3–1 間 C3,1  約 0.12pF ピン 4–1 間 C4,1  約 0.07pF この値を 6ZDH3A のそれと比較すれば次の結論が容易に得られます。 (a) ピン 3 を接地した方がよいが,2 段増幅ではあまり気にしなくてもよい。 (b)  3 段増幅(ゲイン 10,000 倍くらい)まではピン 3 を接地すれば使用できる。

4.6C6 のハムで困った話 100db 程度のアンプです

電源周波数のきれ いな正弦波形

が,ハムが多いのでヘッド の 6C6 をとりかえたらなお ってしまった。球が悪いか ら調べてほしいと,ハムの 出る 6C6 を持込まれました。

第 3 図  Ch,g によるハムの波形

アンプにさしてみると,よ

下部シールド G1支持線 い球ではハム出力電圧が約 カソード

1V なのに,不良球は 5V 位 出ています。ハムの波形を 見ましたところ,第 3 図の ようにきれいな 60 c/s の波形

ヒーター

でした。このような波形は ヒーター・グリッド間の絶

ステム

縁不良か,キャパシティー によることが多いのですが,

第 4 図 ハムの出た 6D6 の構造

6C6 ではヒーターとグリッドの絶縁が悪くなりそうにありません。そこで Ch,g を 測ってみますと,良品で 0.01pF なのに,ハムの多い球は 0.07pF もあります。(1) 式から計算しますと,100db(10 万倍)ですから,Ch,g は 0.017pF 以下でなけれ ばならないわけで,ハムの多い原因は明らかに Ch,g が多かったからです。 不良球をこわして良品と比較してみましたのが第 4 図で,グリッド支柱が下部 に出すぎていたためであります。このような球は Cp,g も少し多くなりますが,中

4

間周波 1 段ではほとんど気附きません。良心的に球が作られているかどうかは, こういうところでわかるのであります。

5.6C4 で経験したハム

正弦波形

この部分がすこし つぶれる

テープ・レコーダーでヘッドに 6C4 を使った 100db 程度のアンプで,6C4 をとりかえるとハム

逆方向にあまり 流れない

が大きく変り,小さいものでは 0.1V 程度のハム 出力なのに,多いのでは 5V も出るのがあるとの クレームを受けまして,調査した経験をお話いた

正弦波形

しましょう。 ハムが沢山出る場合の出力波形を,ブラウン管

第 5 図  Ih,k によるハムの波形

オッシロで調べてみますと,第 5 図のような半波 整流の波形でした。このような波形は,主としてヒーター・カソード間のリー ケージにより生ずるものですから,ハム電圧とリーケージ電流の関係を実測して みましたら,第6図のようになりました。ヒーター・カソード間のリーケージ電 流 Ih,k は,両電極間に 45V の直流電圧をかけて流れる電流を測ったもので,図は ヒーターを + にした場合 (+Ih,k ) です。Ih,k は第 7 図のように変化するのが普通 で,またヒーター電圧が上ると急激に増加します。 第 6 図から Ih,k とハム電圧とは大いに関係があることがわかります。6C4 のと き かん

ヒーター・カソード間のリーケージ電流

ころの回路は,入力インピーダンスを上げる目的と負饋還をかけるために,カソー

ハム出力電圧 (V)

6

4

2

0 0

1

2

ヒーター・カソード間の リーケージ電流 Ih,k (µA) 第 6 図 ハム電圧とリーケージ

3

40

数Vで飽和する 20

0

ヒーターがプラス のとき少ない

−20

ヒーターがマイナスのとき多い

−40 −40

−20

0

20

ヒーター・カソード間の電圧 (カソード基準で測定) 第 7 図  H–K 間リーケージ電流の特性

40

5

ド抵抗 Rk にはバイパスが入っていませんでしたので,Ih,k による交流が Rk の両 端に交流電圧を生じたため起ったものです。第 7 図からわかりますように,Ih,k は一種の整流作用をもっていますので,第 5 図のような片波整流のごとき波形に なったわけです。 このような原因によ るハムが起きる場合は, ヒーター・カソード間 に 20V 前後の直流電圧 (ヒーターを正にする方 がよい)をかけるとよ いのでありまして,第 8 図を見ればこの理由が おわかりになると思い ます。この電圧は高い

O ヒーター バイアス

ヒーター・バイア スのあるときは, このように    ヒーター電圧 がへる ヒーター・バイア スのないときは, ヒーター電圧   は大きいけ れど

ほどよいわけですが,球 の方の耐圧の問題から,

第 8 図 ヒーター・バイアスの効果

50V 以上にするようなことはさけるべきです。 この電圧を作る一番簡単な回路は,第 9 図の

出力管

ように出力管のバイアスを利用する方法で,こ れによりハム電圧を 20db 以上にも減ずること パワー・ トランス

ができます。6C4 の場合もこれにより完全に解 決いたしました。80db 以上のアンプで Rk をバ イパスしない場合,および 100db 以上のアンプ では,この注意を忘れないようにしなければい

6.3V

けません。 またヒーター電圧を定格より 10 ∼ 20%下げ

第 9 図 ヒーター・バイアスの取方

るのも,Ih,k が減りますから有効な方法です。このように使う場合の特性および 寿命については,ほとんど心配の要はありません。それは抵抗増幅であるため, プレート損失およびプレート電流が非常に小さいからです。このことから,Ih,k によるハムの大小を調べる方法として,電源電圧を下げてみる方法があることに, 気附かれると思います。

6

6.6C4 のゼロ・バイアス回路でハムに悩んだ話 3 年ばかり前,ミニアチュア管の 6C4

20

を工場で試作していたときのことです。 ゼロ・バイアス回路で低周波のアンプ の試験をしてみますと,ハムが多い球が

10

A

出てきました。この球について Ih,k を 測ってみますと,ハムの少い球よりも

0

確かに多いのですが,10µA 程度で不良 というほどではありません。しかもゼ ロ・バイアスですから,カソード抵抗は

ヒーターに対し, グリッドがプラス のときは電流が ながれない

−20

ゼロで Ih,k によりハムを拾うことも考 えられません。 ハムの波形についても,ヒーター・バ イアスの効果についても,前節とまっ

−40 −40

−20

10

0

20

第 10 図 ヒ-ター・エミッション特性

たく同様な結果を得て,Ih,k によるもの,すなわちヒーターからグリッドに直接 交流が流れているとしか考えられませんので,Ik,g を測ってみましたところ,第 10 図のような特性が得られました。グリッドがヒーターに対して正になってい る場合に,グリッド電流が流れることがわかりました。すなわちヒーターからエ ミッションが出て,それがグリッドに流れ込んでいたわけです。 この原因は,第 11 図の ようにヒーターの上端 がカソードよりわずか に出ていて,この部分は

ゲッター板, ゲッターは上向きに とぶが,少し下向きにもとぶ このハダカの部分 にゲッターがつき, エミッションが出る

折曲げのために裸にな っていますので,ここに

グリッド支柱

ゲッターのバリウムが つき,エミッションが出 るようなったからです。

上部マイカ

ヒーターをカソードよ りひっこめること,およ びゲッターの指向性を よくし上部にのみ飛ば すことにより,完全に解

カソード 第 11 図 ヒーター・エミッションの原因

7

決しました。

7.6ZDH3A のソケットの絶縁不良によるハムの経験 球をいくら変えてもハムが減らないという 6ZDH3A を使った 5 球スーパーで経 験したことですが,6ZDH3A を抜きさえすればハムが止るという現象を調べたこ とがあります。ハムの波形は第 3 図のような波形ですが,10V 近いハムが出てい ます。ヒーターはピン 6 がアースしてありましたので,ピン 1 の方にかえました ところ,4V 近くに下りました。しかしまだ多いので,6ZDH3A をいろいろ変え てみましたが少しもよくならず,球に原因はなさそうです。 ソケットが中古のものを使い,しかも半田附のときのペーストでよごれていま したので,ソケットを新品ととりかえましたら,完全に直り,ハムは 1V 程度に なりました。取外したソケットの絶縁を調べてみますと,各電極間は 20 ∼ 50MΩ 程度で,新品なら無限大近くのはずです。やはりソケットの絶縁不良によるハム です。アースしてない側のヒーターとグリッドの間の絶縁抵抗を Rg,h としますと, 第 2 図の回路では,ハム電圧 2V におさえるためには,ゲイン 60db として 160MΩ 以上の Rg,h でなければなりません。いかにソケットの絶縁が大事かということ がおわかりでしょう。この抵抗は球の方にも考えられるのでありまして,球とし ても,200MΩ 以上(私の会社は 300MΩ 以上で検査しています)の絶縁抵抗に保 つことが必要です。シングル・エンド型では,このように絶縁の問題とキャパシ ティーの問題がありますから,60db 以上の増幅に使うことは,一応さけるべき でしょう。

8.ヒーター・カソード間の容量によるハム カソード抵抗 Rk にバイパスがない場合は,ヒーターの交流電圧がヒーター・カ ソード間の容量 Ch,k を通して,Rk に交流電圧がかかり,ハムが出ることが考え られます。この電圧は次式で計算できます。 1 En = Ef × 2πf Ch,k 2 1 にしたのは,ヒーターとカソード間の電圧の平均値は Ef の半分だからです。 2 ハム電圧を 2V におさえますと Ch,k (pF) × A ≦

1.7 × 103 Rk (kΩ)

となり,Rk = 10kΩ として Ch,k (pF) × A ≦ 1.7 × 105

(4)

8

Ch,k は 6.3V,0.3A のカソード・ヒーターの場合約 4pF であり,ソケットの容量 を入れても 4.5pF 以下ですから,この値を (4) 式に入れて増幅度 A は約 90db 以下 ならハムが問題にならないことになります。したがって一般には,カソード・グ リッド間のキャパシティーによるハムに比し,無視してよいわけです。この両者 のハムは,ヒーター電源の接地にハム・バランサーを用うることにより,さらに 軽減できることは申すまでもありません。

9.ヒーターの交流点火では,どの位のゲインまでヘッドに使えるか? ハムの原因は,球の方だけから見ますと,このほかにマグネチック・ハム(ヒー ターを交流電流が流れているために生ずる磁界によるハム,つぎの機会にくわし く説明します)があります。マグネチック・ハムは 6C6,6SJ7-GT 等で,グリッ ド側に換算して 1 ∼ 10µV のオーダーのものですから,100db 以上のアンプになっ て初めて問題になるわけです。したがってヒーター・バイアスを加えた 6C6 や 6SJ7 では,100db 程度までは充分実用になり,それ以上ではヒーターを直流で点 火するのが安全であります。

10.ゼロ・バイアス回路とハム ゼロ・バイアス回路は,グリッド・リークとして 5MΩ の抵抗を用いますので, ハムの危険があると心配される方が多いようです。すなわち (1) 式の Rg が 5MΩ になりますので,(3) 式は Ch,g × A ≦ 170 となり,6ZDH3A は使いものにならないよう

6ZDH3A

に思われるのです。しかしこの考え方は誤っ ているのでして,本誌 4 月号〔『ラジオ技術』1953 年 4 月号〕に説明しましたように,ゼロ・バイア

スのグリッド・インピーダンスはグリッド抵 1 1 になるのでありますから,5MΩ 抗の ∼ 5 10 を用いても実効的には 1 ∼ 0.5MΩ になり,こ

5M

の値を (1) 式に入れればよいわけです。

11.6ZDH3A の検波増幅回路とハム これまで考えてきましたのは,すべて低周 波アンプとしてでありまして,二極検波をと

AVC

0.01 500K 第 12 図  6ZDHA の回路

もなう場合には多少修正を要する点があります。いま第 12 図のような 6ZDH3A

9

の回路を例にとってみましょう。このような回路では,二極管部を直線検波で動 作させるのが歪および AVC の点からすぐれていますので,二極検波出力電圧は割 に高いため,ハムが出るとすれが,特に変な球を用いないかぎりキャパシティー によるハムであります。キャパシティーとしては,ヒーターとグリッドおよびダ イオード 1) 間の両者,Ch,g および Ch,d を考えなければなりません。 Ch,d は第 1 表のようになり 6ZDH3A は Ch,g よ

第 1 表  H・D 間の容量

りピン 1 を接地した場合小であり,しかも二極

6ZDH3A 4

部のインピーダンスは,本誌昨年 12 月号〔『ラ ジオ技術』1952 年 12 月号〕で説明しましたごとく,

1–4 0.21pF 6–4 0.30pF

100 ∼ 60kΩ であるのに対し,グリッド側は第 1

9 節で説明しましたように 1MΩ ∼ 500kΩ です

6

6SQ7-GT

から,二極検波の場合グリッドに生ずるハム電

4

圧は,二極検波のない場合の 80%程度に下りま

5

す,すなわち 6ZDH3A に関するかぎり,ピン 1 7

をアースすればよいことになります。 8

12.6AT6 の検波増幅とハム

6AT6(6AV6) 4

6ZDH3A では検波増幅の場合も増幅だけのと きも,ピン 1 をアースすればよいと申しました

ダイオードが隣り合ったピンに出ている関係か ら,Ch,d が大きくなることがあるからです。こ

5 6

3

が,6AT6(6AV6 も同様)では少し様子が変りま す。第 1 表からわかりますように,ヒーターと

7–4 0.03pF 7–5 0.48pF 8–4 0.06pF 8–5 0.13pF

3–5 0.04pF 3–6 0.03pF 4–5 0.39pF 4–6 0.04pF

1

NEC 製品で,ソケットを含む値。 他社品は多少異ることあり

の値と Ch,g の関係から結論だけを申し上げますと次のようになります。 ⓐ ダイオードを 2 個とも併列に結んで使う場合は,ヒーター・ピン 4 をアー スするとよい。 ⓑダイオードを片側だけ使う場合は,ピン 5 をアースしてピン 6 を使うのがよ い。この場合ヒーターはピン 3 でも 4 でも大差ないが,ピン 3 を接地した方 がわずかによい。

13.むすび 以上を簡単に要約しますと, ⓐ キャパシティーによるハムは,GT 管・ミニアチュア管を除き,ST 管では主 なハムの原因で,60db 以上のアンプには無理である。6AT6,6AV6,6SQ7-GT 1)

〔編註〕diode. 6ZDH3A の 2 極管部のこと。半導体ダイオードではない

10 第 2 表  H・G 間の容量

76

3

6ZDH3A

3

1

1–3 0.35pF 5–3 0.13pF

5

1

1–3 0.45pF 6–3 0.136F

6

6C4

6SQ7-GT

4 6

3

3–6 0.07pF 4–6 0.09pF

7

2 8

6C6

4

G1

1

6AT6(6AV6)

3

3–G1  0.01pF 6–G1  0.01pF

6

7–2 0.06pF 8–2 0.06pF

1

3–1 0.12pF 4–1 0.07pF

6SJ7-GT 4

2

7

2–4 0.06pF 7–4 0.03pF

NEC 製品で,ソケットを含む値。他社品は多少異ることあり

でも,絶縁によるハムを考えると,80db が限度である。それ以上のゲインの 場合は 6C6 がよいが,100db 以上は無理である。 ⓑ 球の事故によるハムとして,ヒーター・エミッション,およびヒーター・ カソード間のリーケージ(ショートを含む),キャパシティーの不当に多い 場合等の原因がある。 ⓒ ゼロ・バイアス回路のグリッド・リーク 5MΩ の高抵抗は,ハムの点から 恐れる心配はまったくない。 ⓓ シングル・エンド管では,ヒーターのピンのアースは管種によって適当な 値がある。 ⓔ  100db 以上のアンプでは,マグネチック・ハムが問題となるので,ヒーター は直流点火するのがよい。 ⓕ シングル・エンド管では,ソケットの絶縁には特に注意しなければなら

11

ない。 ⓖ 高利得のアンプでは,初段の球のカソード・バイアスには必ずつけること。 (一木吉典)

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PDF 化にあたって 本 PDF は, 『ラジオ技術』1953 年 7 月号所収 を元に作成したものである。 ラジオ関係の古典的な書籍及び雑誌のいくつかを ラジオ温故知新 http://www.cam.hi-ho.ne.jp/munehiro/ に、 ラジオの回路図を ラジオ回路図博物館 http://www.cam.hi-ho.ne.jp/munehiro/radio/radio-circuit.html に収録してあります。

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